小悪魔な彼
 
「そ、そんな目で見たってダメなんだからねっ」

「……分かりましたよ」


なんとか折れてしまいそうな自分を抑え、ぐっと颯太を睨んだ。

颯太もようやく折れて、抱き寄せていた力を抜く。


「今日は我慢します」


その言葉を聞いてほっとした瞬間、


「!!」


ちゅっとリップ音を立てて、唇を奪われた。


「キスくらいならいいでしょ?」


小悪魔な笑みを浮かべ、あたしを見つめる颯太。


やっぱりこの子には絶対に勝てない……。
 
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