小悪魔な彼
 
「なんで!?だって今年は、プレゼントはナシにするって言ったじゃん!」


クリスマスを一緒に過ごすことにしたとき、プレゼントの話にも当然なった。

だけどあたしは、颯太にメガネを弁償したばかり。
当然のようにお金はない。

そんなあたしを察してか、颯太は今年のクリスマスは、プレゼントとかはなしにして、一緒に過ごす時間を大事にしようと提案してくれたのだ。


だからプレゼントがここにあることに、驚きを隠せなかった。
 

「やっぱり、どうしても彼氏らしいことをしたかったんです」
「そんな……」


あたしは、バカ正直のように何も用意していない。
それなのに、ここに差し出されているものを、受け取っていいのだろうか。
 
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