小悪魔な彼
 
「気に入ってくれました?」
「うんっ……うんっ!!」


あまりにも嬉しくて、何度も大きく頷く。

こんなに可愛いネックレスをもらったのなんて、生まれて初めてだ。


「貸してください。
 俺がつけてあげます」

「あ……うん」


颯太はネックレスを手に取ると、あたしの首にそっと回した。

手が外されるころには、胸元に光るハート。


「本当に可愛い……」
「よかった」
「冬なのが惜しいね」


冬だと、どうしても上着で見えずらい。

出来ることなら、常に胸元をオープンにして、みんなに見せびらかしたいくらいだ。



「颯太、本当にありがとう!
 一生大切にするから」



そう言って、今持つ最高の笑顔を颯太に向けると……


「……」


あたしの唇は、颯太の唇と重なっていた。
 
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