小悪魔な彼
13章 苦手な男
「本当に駅までで大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよー。いつも学校帰りだって、一人で駅から帰ってるんだし」
結局、颯太は一緒に電車に乗り込み、あたしも最寄駅のホームを降りた。
家まで送ってくれようとしたけど、さすがにそれは悪いと思い、断った。
「それに、さっき家に帰るよメールしたら、お兄ちゃんが駅まで迎えに来てくれるって」
「ならいいですけど……。
それじゃあ、家に帰ったら連絡ください」
「うん!」
あたしの言葉に安心し、もう一度だけ軽くキスを交わした。
そして颯太が電車に乗り込むのを確認すると、あたしも改札へと向かった。