小悪魔な彼
 
何?
超怖いんだけど……。


帽子をかぶっていて、顔がよく分からない。


あたしはその人に背を向けると、リダイヤルからお兄ちゃんのメモリを探した。


早く来てよ、バカ兄貴~!


携帯に耳をあて、お兄ちゃんが出るのを待っているときだった。



「おい」

「ひゃっ……!」



ポンと肩を叩かれた。

振り向いた先にいたのは……


「……え……?」


さっきから、あたしをガン見していた男の人だった。
 
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