小悪魔な彼
 
そっちへ振り向くと、さらにその人はあたしをじっと見る。


「な、なんですか……?」


強面に高い身長。

怖くて、逃げ出すことも出来なかった。

でも、ここは駅前。
他にもたくさん人がいるから、変なことにはならないと思うけど……。


「あんた、香澄だろ?」
「え……?」


だけど、予想外の言葉。

全く身に覚えのないその人から、あたしの名前が出た。


「そう…ですけど……」
「おー、合ってた!
 迎えに来たぞ」
「はい?」


全然意味が分からない。

なんであたしが、こんな見ず知らずの人に迎えに来てもらわないといけないんだ。
 
< 200 / 416 >

この作品をシェア

pagetop