小悪魔な彼
そっちへ振り向くと、さらにその人はあたしをじっと見る。
「な、なんですか……?」
強面に高い身長。
怖くて、逃げ出すことも出来なかった。
でも、ここは駅前。
他にもたくさん人がいるから、変なことにはならないと思うけど……。
「あんた、香澄だろ?」
「え……?」
だけど、予想外の言葉。
全く身に覚えのないその人から、あたしの名前が出た。
「そう…ですけど……」
「おー、合ってた!
迎えに来たぞ」
「はい?」
全然意味が分からない。
なんであたしが、こんな見ず知らずの人に迎えに来てもらわないといけないんだ。