小悪魔な彼
「それは分かったけど……
なんで家にいるの?」
「今日は泊まっていってもらうことにしたのよ」
「はいー?」
本日二度目の大声。
すぐに「近所迷惑」とお母さんに怒られた。
「香澄、あんたねー。
久々の再会なんだから、もうちょっと喜びなさい」
「おばさん、大丈夫ですよ。
香澄のこれは、照れ隠しだって分かってますから」
「違う!」
あたしの否定は関係なく、猛にぃはにこにことお母さんと話す。
昔からそうだ。
猛にぃは、お母さんに取り入るのがうまい。