小悪魔な彼
 

「さむっ……」


基本、乗り物は30分~1時間待ちだった。

この寒さの中、立って待っているのは体が底冷えしそうで、それを見かねた颯太が、後ろから抱きしめてきた。


「ちょ、ちょっと……」


嬉しいけど、こんな公共の場で……。


「大丈夫です。
 俺らだけじゃないんで」

「あ……」


確かにあたりを見渡すと、結構なカップルがいちゃついている。

きっとクリスマスだから特別だ。
 
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