小悪魔な彼
バカップルなんて、絶対に自分はならないと思ってた。
あたしがずっと理想していたのは、大人の付き合い。
外ではせいぜい手をつなぐくらいで、でも家に帰ったらいちゃつくとか。
人前でなんか、そんな恥ずかしいことはしないって……。
だけど……
「あったかいね……」
抱きしめられている颯太の腕を、もう離せない。
日が沈みかけるまで、いろんな乗り物に乗った。
と言っても、一つ一つの乗り物の待ち時間が長いので、5つくらいしか乗れなかったけど……。
そしてついにライトアップの時間。
ついた瞬間、いたるところから歓声の声があがった。
「綺麗……」
あたしも、その一人だった。