小悪魔な彼

「猛にぃは、ほんとないから!
 あたしにとって、猛にぃは恐怖の対象でもあるんだよ。
 いっつも人のことからかって、いじめて……あの時、若干男性恐怖症になってたなぁ……」

「……好きな子をいじめる過程……」

「え?」

「いえ、なんでもないです」


颯太がぼそっと何かを言っていたけど、それは聞き取れない。
 

少し浮かない顔の颯太に、あたしはにこっと微笑むと颯太に抱き着いた。
 
< 230 / 416 >

この作品をシェア

pagetop