小悪魔な彼

「……やっぱり、恥ずかしいですよね」


しゅんとして、一歩引く颯太。

颯太はずるい。
わざとそうやって、あたしの気を引こうとするから……。


あたしは意を決すると……


「……っ」


背伸びをして、颯太の唇にキスをした。


触れるだけの、一瞬のキス。
こんな明るい公共の場でのキスなんて、これがいっぱいいっぱいだ。
 
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