小悪魔な彼
 
颯太の目が、軽く警戒心をむき出しにしている。

猛にぃは、そんなことを気にも留めず、再び改札の中へと目線をうつした。


「あいつ、おっせーなぁ……」
「あいつって?」
「葵」


最初、「葵」と言われてもパっと思い浮かばなかった。

だけどすぐに思い出し、


「葵ちゃんっ?」


それが、猛にぃの妹だと分かった。
 
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