小悪魔な彼
 
ふわふわな髪の毛は、肩下まであり、ばっちりとした化粧。
ふわっとしたスカートに、ピンヒールを合わせて、まさに可愛いがふさわしい女の子だった。


「嘘……あれが葵ちゃん……?」


あたしは、その子が葵ちゃんだとは、とうてい思えなかった。


あたしの中での葵ちゃんと言えば、ショートカットで色黒。
どちらかというと男の子っぽくて、スカートなんか絶対に履かないような子だった。


「お待たせー」


改札を抜けて、猛にぃの前に立つ。

あたしは呆然としたまま、葵ちゃんを見ていた。
 
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