小悪魔な彼
15章 陰謀デート
「え?明日?」
《そー。ダメかな?》
「ううん、大丈夫だよ」
冬休みに入って、3日目の夜。
葵ちゃんからの突然の誘いだった。
《それでね、カップルで行くと限定グッズがもらえるんだ!
あたし、それが超欲しいの!》
「カップルって……。さすがに女同士で行ってももらえないでしょ」
《そうなの!だからさ、香澄ちゃん、彼氏さん連れてきて》
「は?」
あまりにも予想外の提案に、間抜けな声を出した。
颯太を連れてきたところで、1対2でカップルというのもどうかと思う。
《猛にも頼んで、一緒に来てもらうからさー》
「え……」
それを聞いて、ますます行くのが嫌になった。
猛にぃと一緒にお出かけなんて、絶対に嫌。
「それなら、最初から猛にぃと二人で行けばいいじゃん……」
《そんな場所、兄貴と二人で行ったってつまんないよ!
グッズも欲しいけど、行くからには楽しみたいじゃん。
ね?お願いっ》
電話越しから、必死に懇願する声が聞こえる。