小悪魔な彼
 
「俺がなんでお前のこと、いつもいじめてたか分かる?」


距離を詰めて、あたしを壁に追いやる。

ドンと、背中に壁が当たった。


「な、何……?」
「お前の顔見てんと、すげーからかいたくなるんだよ」
「……」


にやりと笑って、あたしの顎に手を添えた。

怖くて、体が動かない。



「あの時の約束、ちゃんと覚えてるよな?」

「約…束……」



(香澄!
 ちょっとこっちに来い!)



「ああ。俺はその約束を果たしに、こっちに戻ってきたんだよ」

「!!」



(なに…?猛にぃ…)

(いいか。
 お前は大人になったら、俺のもんになるんだよ)
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