小悪魔な彼
「ガキの頃の思い出なんか、美化されてるだけだと思ってた。
だけどこっちに遊びに来た時、偶然お前を見つけた。
そして思った」
「……」
「ああ……。
俺の中の初恋は、決して美化されたものじゃなかったんだ……
その時確信したんだよ」
「……え…?」
初めて聞く「初恋」というワード。
猛にぃの初恋……?
あたしが……?
「だから決めた。
必ずこっちに戻って、お前を手に入れる。
たとえ、お前が俺のことをなんとも思ってなかったとしても……」
「ちょ……やだっ」
あたしの体の両サイドに手を置き、身動きを取れないように抑える。
恐怖で体がこわばった。