小悪魔な彼
16章 恨み
《香澄ちゃん、話があるの》
4人でテーマパークに行った日の夜、かかってきた一本の電話。
それはいつもの声とは違う、葵ちゃんからの電話だった。
《明日、ちょっと会えないかな?》
昨日に続いて、今日も…と思ったけど、葵ちゃんの声はいつもと違ってずっと真面目な声。
何か真剣な悩み事だと思い、承諾した。
「葵ちゃん!」
「香澄ちゃん」
待ち合わせ場所に、すでに立っていた葵ちゃん。
少し駆け足で、葵ちゃんのもとへ行った。
「ごめんね。昨日の今日で、また呼び出して」
「ううん。それよりも何かあったの?」
やっぱり、本人を見ても少し浮かない表情。
電話で聞いた時よりも心配になった。