小悪魔な彼
 
「香澄ちゃんには、絶対に猛のほうが合ってる!!」



悔しくて、去っていく颯太くんの背中に向かって叫んだ。

その足が止まる。


「香澄ちゃんはずっと年上の人が理想だったんだから……。
 それに猛は、小さい頃からずっと香澄ちゃんが好きだった!!

 猛のほうが、ずっと香澄ちゃんへの想いが強いんだから!!」


再び歩き出す颯太くんの足。

結局、振り返ることもせずにあたしのもとから去って行った。
 
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