小悪魔な彼
 
「まったくもう……
 あなたはすぐにそうやって、俺の心をもっていく……」


耳元で聞こえる声には、もう不安なんてなかった。

あたしも安心して、颯太の背中に腕を回すと、


「颯太だって、あたしの心をもっていったでしょ?」


胸に顔をうずめて、颯太のぬくもりを感じた。



「俺……早く大人になりたいです」

「焦らないで……。
 一緒に大人になろう」



一歩ずつ、あなたと一緒に歩みたい。
 
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