小悪魔な彼
18章 疑惑
「あけましておめでとう!颯太」
「おめでとうございます。香澄」
年が明けた。
元日の朝に顔を合わす颯太は、昨日も会ったばかりだと言うのに、いつもと違って見える。
「なんだか照れくさいね」
「そうですか?」
「うん」
初めての、好きな人との初詣。
胸が躍っていた。
本当は、カウントダウンも一緒にやりたかったが、お父さんの許可が下りなくて泣く泣く断念。
いまどき、うちのお父さんは頑固おやじだ。