小悪魔な彼
 
「人すご……」


着いた神社には、すでに人であふれかえっていた。


時間は朝の10時。
同じように初詣に来ている人でいっぱいだ。


「はぐれないようにしてくださいね」
「うん」


手を繋いで、人ごみの中に入ろうとした。

だけど……


「あ、香澄ちゃん!」

「……葵ちゃん…」


名前を呼ばれ、振り返ったそこには、葵ちゃんと……


「……」


猛にぃがいた。


「香澄ちゃんたちも、ここで初詣?」
「う、うん……」
「じゃあ、一緒に並ぼう!」


にこにこと、葵ちゃんは当然のようにあたしたちの隣に並んだ。
 
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