小悪魔な彼
「あれ?先生は?」
先生がだいぶ向こうに行ってから、峰岸くんが教室から鞄も持って出てきた。
「あっち」
「はぁ?日誌渡すまで、待ってろっての!」
そう言って、峰岸くんは駆け足で先生の後を追って行く。
すぐに追いついた峰岸くんは、三浦先生と話のやりとりをしていて、あたしはその姿を見つめていた。
あたしの好きな人は、左にいる三浦先生。
でもあたしの彼氏は、右にいる峰岸くん。
ねぇ、峰岸くん…
あたし、どんなにあなたに好きと言われても、やっぱりあなたの気持ちに応えることは出来ないよ。
だってあたしは、
あなたの担任の三浦先生が好きなんだから……。