小悪魔な彼
 
だけど決して高くない身長。

飲まれそうな体。


必死にもがいていると、あたしの腕をぐいと引っ張られた。



颯太だっ!



瞬時にそう思い、逆らわずにその腕に従う。

ようやく、賽銭箱周りに集まる人波を抜け出せ、顔を上げると……



「猛にぃっ……」



あたしの腕を引っ張っていたのは、猛にぃだった。
 
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