小悪魔な彼
「なんで?何か……」
戻るにしても、その先にあるものが気になる。
あたしは身を乗り出して、その奥を見た。
だけど……
「!!!」
そこにある光景を見て、固まった。
な、んで……
ドンと後ろに倒れそうなところを、後ろにいた猛にぃが支え、あたしの目を片手で覆った。
「だから戻ろう、って言ったんだ」
「…っ」
信じたくなくても、今見た光景が脳裏に焼き付いている。
あたしの瞼の裏に張り付いた
二人がキスする姿が……。