小悪魔な彼
「………先輩…
香澄先輩っ!」
「え?」
「え?じゃないですよ。
何度も呼んでるのに……」
「あ、ごめん……」
そのまま峰岸くんと一緒に帰ることになり、ついあたしはぼーっとしてしまった。
さっき会ったばかりの、三浦先生のことばかり考えてしまう。
「……香澄先輩…」
そんなあたしに、少し声を低くして、峰岸くんがもう一度呼びかけた。
「香澄先輩はもしかして……
三浦先生のことが好きなんですか?」
それは、あまりにもストレートすぎる突っ込みだった。