小悪魔な彼
 
「……猛…にぃ…」


そっと見上げる。

ばちっと猛にぃとの視線が合わさった。


「香澄」


猛にぃの手が、あたしの頬に触れた。


「目、閉じて」


それが、いったい何を示すのか分かった。


目を閉じること…それはあたしが猛にぃを受け入れること。
 
< 359 / 416 >

この作品をシェア

pagetop