小悪魔な彼
21章 真実
「はぁっ……はぁっ……」
猛にぃの部屋を飛び出て、ひたすら走った。
自分の曖昧さを振り切りたくて……。
だけど自分の体力の限界なんてすぐにやってきて、走ってた足は次第にゆっくりになる。
そして涙をこぼしながら、足を止めた。
「あたし……最低だ……」
溢れてくる涙を手の甲で拭い、唇を噛む。
自分のはっきりとしない感情に嫌気がさした。