小悪魔な彼
4章 優しさ
結局、何も物事が進まないまま、1週間が経ってしまった。
さすがに週末遊びに行くまではしていないけど、あたしと峰岸くんは付き合ったまま。
峰岸くんは、あたしが別の人を好きでも、気にならないのだろうか……。
あの日の帰り、あたしはダメもとで峰岸くんに提案をしてみた。
「メガネ代、今すぐ払ったら、付き合う話もチャラにしてくれる?」
「ダメ。一度約束したんだから、1か月は絶対」
「……」
あの時、やっぱりすぐに返すべきだった。
そう後悔しても、もう遅い。