小悪魔な彼
 
「あたし……颯太に会いに行こうとしてたの」
「奇遇ですね。
 俺も今、香澄の家に行ってきたんです」
「え?」
「でもいなくて……。
 家にお兄さんがいたので、挨拶をして、今香澄がいる場所を聞いたんです。
 そしたら、猛さんの家にいると……」


お兄ちゃん、颯太のこと信用して、猛にぃの家を教えてくれたんだ……。


「ねえ、ちょっとそこの神社にいこっか」


このまま、たくさん話をするには、場所が場所だ。
道路の真ん中で話してたら、またいつ車が通ったり、人が通るか分からない。


あたしたちは、地元の小さな神社に移動することにした。
 
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