小悪魔な彼
 
こんなにも颯太を苦しめていた自分が憎くて、あたしは颯太の震えがなくなるようにと背中に腕を回した。


「颯太……言ったよね。
 あたしに、幸せになれる人を選んでください、って……」

「……」


その言葉に、少しだけ不安な顔をする颯太。

だけどあたしはにこっと微笑み……



「あたしは、颯太じゃないと幸せになれないよ」



そう言って、颯太の唇にそっとキスをした。
 
< 383 / 416 >

この作品をシェア

pagetop