小悪魔な彼
どれくらい眠っていたんだろうか…。
まだ瞼が開かない中、徐々に覚醒していく頭。
そしてふと、右手が温かいことに気づいた。
ゆっくりと瞼を開けるとそこには……
「……峰岸…くん……」
「香澄先輩っ!!」
峰岸くんが、あたしの手を握っていた。
「よかった……。
気分はどうですか?」
「うん……まあまあかな……」
まだはっきりとしない頭で、峰岸くんを見つめた。
えっと……
ここは学校の保健室、だよね……。
頭が痛くて、休ませてもらってて……
「峰岸くん、授業は?」
「今はお昼休みです」
「そう」
ここからは時計が見えないので、それが本当かどうかは分からなかったけど、保健室の先生が注意をしないということは、本当なのだろう。