小悪魔な彼
「びっくりしましたよ。
昼休み、香澄先輩のところへ遊びに来たら、体調悪くて保健室だって聞いて……」
「ごめんね。心配かけちゃったね」
「まったくです。
俺の人生は、香澄先輩でできているようなものですから」
握ったままの手を、自分の口元までもっていき、本当に愛おしそうにささやく。
そんなふうに真面目な顔で言われたら、不覚にもドキドキしちゃうよ……。
「峰岸くん……言葉がくさいよ…」
つい照れ隠しに、そんなことを言ってしまうと、峰岸くんはさらに照れもしないであたしを見つめた。