小悪魔な彼
「全部本心ですから。
香澄先輩をドキドキさせられるんだったら、いくらでも言います」
「べ、べつにドキドキなんか……」
「顔、真っ赤ですよ」
「なっ……」
顔には出さないようにしていたのに、体温は正直だ。
つい手で顔を押さえると、峰岸くんはくすりと笑った。
「嘘です」
「え!?」
「でも、本当にドキドキしてた、ってことですね」
「……」
マズイ…。
完全に彼のペースに巻き込まれてる……。
「もう知らない」
あたしは余計なことをしたくなくて、ふいと横を向いた。