小悪魔な彼
「少しは進展したみたいですね」
「何が……?」
「いえ、こっちの話です」
悪戯めいた笑顔で、にっこりとほほ笑む。
やっぱりあたし、峰岸くんに振り回されてばっかりだ。
「それじゃあ、俺は帰りますね」
「うん……気を付けて」
「はい」
峰岸くんは、手をひらひらとさせると、今来た道を引き返していった。
あたしはすぐに家に入って、二階の自分の部屋へあがる。
そして窓を開け、外を覗いた。
後ろ姿の峰岸くん。
それだけ見ると、年下には見えないかもしれない。
すらりとした身長。
細いのにがっちりとした肩幅。
長い脚。
「……」
あんなにカッコいいなんて……ずるい……。