小悪魔な彼
 
「どうして逃げたんですか?」


あたしとは裏腹に、息一つ切れてない。

そんな姿すら、憎たらしい。


「べつにっ……自分の教室に戻ろうとしただけっ…だしっ……」

「そのわりには、教室とは正反対ですよ」

「……」


だって仕方がない。

今、あたしは……
いろんな意味で、峰岸くんに会いたくなかったんだから……。

 
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