小悪魔な彼
(この先輩ね。
あなたが目が覚めたとき、知っている人が誰もいないと心細いだろうって言って、ずっと傍についてたのよ)
(ちょ、先生、余計なこと言わないでっ!)
先生の言葉に、少しだけ顔を赤く染める先輩。
(でも、安心したでしょ?)
頬を赤くしたまま、先輩はにこっと俺に微笑んだ。
(……はい…)
一人になることなんて、当たり前だった。
今更一人で放置されたって、なんとも思わなかった。
だけどこの時初めて
この先輩が傍についていてくれてよかった、と思った。
だからこれからは、俺がこの人の傍にいたい。
この人の特別になりたい。
でも今のままの俺じゃダメだから……
先輩が俺を男として見てもらえる姿になるまで……