きょうもこたえはおしえません
「あああーっ、不味い飯だなあ、おい。空腹となんら変わりねえっつのっ」
指についた鮮血をぴちゃぴちゃ音をたてて舐めながら、男は足元に転がる残骸を見据える。いや、見下す、の間違いか。
「喰われることに喜べよ。テメェら『餌』は、それしか価値がねえんだからよう。せーぜー味付けに精だせや。ニシシッ、ケバイ女に精だすんじゃねえぜ?
血肉あぶって、まるまる太って心臓にコショウ振ってりゃいいんだよ」
言うなり嘲笑し、ぎゃははと笑って男は残骸の天辺に立つ。
「ああ、ああっ、最高だぜえっ。こーやって雑魚共踏み潰して喰い散らかしてえっ、そーして俺は神も平伏す悪魔様!
ニシシッ、このさいこーな眺め、ちょう最強の俺だけのもの! ああ、早く満腹になりてえよなあ……」
べえっ、と赤い舌をだし口端を舐める悪魔の顔は高揚し、うっとりと目を弧に描いていた。
「……んあ?アイツが呼んでやがるな。俺様ちょーやさしーから、わざわざ行ってやるけどねー」
残骸を踏みしめ、それこそパキャッと骨の砕ける音にも興奮する悪魔。
残骸は後に、新聞でビックニュースと扱われたという……