きょうもこたえはおしえません
*
ロンドン郊外、レンガ造りの建物ばかりが目立つこの街の一角の洒落た喫茶店にて。
「お、お、お願いしますっ! 密売犯を捕まえてくださいっ」
「あ、このコーヒーおいし」
うまし。ズズッとコーヒーを煤る男に、机に手をついて頭を下げる男。
喫茶店でなんと物騒な頼み事をしているんだと呆れるが、生憎店にはこの男たち以外誰もいない。
繁盛していない、というわけではなく。ただ単に頭を下げているこの男が店長であり、休業しているだけだ。
「で、密売犯?ああ、いいよいいよ。コレさえがっぽりくれれば」
コレというところで、親指と人差し指で円をつくる男。
要は、金さえくれればいいと。
ロンドン郊外、レンガ造りの建物ばかりが目立つこの街の一角の洒落た喫茶店にて。
「お、お、お願いしますっ! 密売犯を捕まえてくださいっ」
「あ、このコーヒーおいし」
うまし。ズズッとコーヒーを煤る男に、机に手をついて頭を下げる男。
喫茶店でなんと物騒な頼み事をしているんだと呆れるが、生憎店にはこの男たち以外誰もいない。
繁盛していない、というわけではなく。ただ単に頭を下げているこの男が店長であり、休業しているだけだ。
「で、密売犯?ああ、いいよいいよ。コレさえがっぽりくれれば」
コレというところで、親指と人差し指で円をつくる男。
要は、金さえくれればいいと。