きょうもこたえはおしえません

「ニシシッ、……で、お前はあっ、今回 “も” 俺様の力に頼って仕事するってかあ? 悪魔に頼るたあ、テメェもほんと堕ちたよなあっ!」


「別に頼った覚えなんてないけどね。お前が勝手に食い散らかしてるだけだろ?今回 “も” 仕事の邪魔するなよ」


「どーうしようかねーえ」


にちゃあ、と尖った歯を剥き出して笑う悪魔。つと、店長が戻ってきたのか足音が聞こえる。


「チッ、テメェもほんと物好きだよ。なあーにが楽しくて人助けしてんのかねえ。ほんと、イカレてんよう」


「お前にゃ言われたくないね」


肩をすくめる男に再度舌打ちをかました悪魔は、店長が来る前にまたテーブルの下へと潜り込んだ。


「はい、おかわりです………あれ?今誰かいませんでしたか」


「さて、なんのことだか」


ごちそうさま、と言って男は勘定を払い去っていくのだった。

追加のコーヒーはいつの間にか飲み干されていたという……



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