きょうもこたえはおしえません
しかしやはりというべきか、男は怖じるような素振りを見せず、悪魔もまた目を吊り上げるのだった。
「弱小種族が、なーに最強たる俺様に生意気な態度みせてんのー?お・ま・え、マージむかつくっ」
「最強?自惚れも大概にしとけよ。ほら、どいたどいた。俺は今仕事で忙しいんだ。邪魔するんなら家でねんねしてな。サイキョー悪魔くん?」
「っ、テメェ……ッ」
口元をヒクつかせ今にも殴りかからんとする悪魔。しかし何かを思い付いたのか、ニタァと口角を上げた。
すっくと立ち上がり、目線は倉庫周辺の黒服男たちへと向けられている。
「俺様がちょうサイキョーだってこと、目に焼きつけてやるよ。ニシシッ、反論は受け付けねえ。これは仕事の邪魔じゃねえかんな、あくまでも、俺の気まぐれってわけよう」
悪魔だけにぃ、なんつてー!
自分でぎゃはぎゃはと笑う悪魔に、余計なことをするなと男が口を開くも、とうの悪魔は既に敵陣へ。
「メンドクセー悪魔」
溜め息をついて、男は缶コーヒーに口をつけたのだった。