チカイ×ヤクソク
父さんと母さんはいつものこと
のように帰ってこない。

二人とも新しい相手で
大忙しなのだ。

お姉ちゃんとあたしは二人で
一生懸命生きている。

そんなだらしない二人を
小さい時から見ていて

  なにがあっても
あんな大人にはならない。

と心の中で硬く決めていた。

「コウちゃんとあんた、ずっと一緒
 にいたよね~…」
『いつまで…?』
「んっと…小学校上がる前まで」

なんでおぼえてないんだろう…
あたし本当にバカかも。

「あんた達は幼馴染で親同士が
 仲良しだった…。でもうちの親が
 うちらを放っているのを知ってから
 育ててくれたっけなあ…」
『そんな大事なこと…』

コウ、あたし、なんか大切なこと
忘れてるみたい。

思い出すから、待ってて…。
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