チカイ×ヤクソク
驚いた。
だって初めて会った人だろう?

『…え?俺のこと、知ってんの?』
『コウでしょう?アタシのこと、覚えてない?』

…頭打って変になっちまったか??

『わりィ…顔覚えるの苦手なんだけど』

と適当に嘘で返した。

彼女は俺のことには一切触れず
また不思議なことを言う。

『あたし、東大寺梓。あっさだよ』
『…あっさ???』

んなこと聞いたことね-…。

変な女は嫌いだ…。
急に知ったようなこと言って…。

そんな風に考えてると

『なあんて、覚えてないよねッ
 アタシもあいまいだし…』

とあっさり言われてしまった。
声に出してはいないけどなんだか
いけない事をしてしまったような気がして

『うん…ごめんな』

と素直に謝った。

『い-のッってかありがとね』

と一言言うとその場を去った。

ありがとうの笑顔が可愛い。

その笑顔を-…。

----キットアッサヲマモルカラ----
< 7 / 19 >

この作品をシェア

pagetop