The side of Paradise ”最後に奪う者”
「できそうにないんだけど」
ライナは笑った。
「昔からそうみたいね。
手に負えないから止めなさいって、何度も言ったのに」
「覚えていない」
涼は苦く笑った。
「高校の時はそうかもしれない。
でも今はどうかな」
ライナはじろじろと涼を見回した。
「その自信の根拠によるわね。
付き合った女の数による経験なら意味無いわ。
容姿がいいのも役に立たない。
そんなの綺樹の周りにごろごろいる。
西園寺の財力と家柄なんて最初から無意味。
あの子はそんなの興味ない」
「少しはフォローになることを言ってよ」
育て親の容赦ない滅多切りに、涼はソファーにだらしなくよりかかった。