The side of Paradise ”最後に奪う者”
たぶん昨晩男と一緒だったのを見破った。
涼はすぐそういうのが顔に出る。
かなり怒っていた。
資格、ないだろう。
大体、そういう杖にすがらざる得なかったのは、おまえのせいだろう。
綺樹は力なく鼻を鳴らす。
涼の傷ついた顔を見るのは昔から嫌だった。
だからそういう時はつい譲っていた。
今回は譲れない上に、させているのは自分だから余計気分が萎える。
早く、遠くに行っちまえ。
綺樹はダンボールのふたを閉める。
解き放ってあげたんだから。