The side of Paradise ”最後に奪う者”
「ちょうど今、広告を拝見しました」
ちょっと間が出来る。
「ああ、良く気がついたね。
こっちでは気づく人は殆どいないんだけどな」
「社長が一瞬で気が付いてコーヒーを吹いてしまい、その後片付けが大変でした」
綺樹はくつくつと笑っている。
冗談だと思っているらしかった。
「こういうのに興味がないと思っていましたが」
成介は慎重に聞いた。
「ああ。
無いよ。
ちょっと付き合いがあって、というか」
綺樹がため息をついた。
「ウルゴイティが筆頭株主だとか、広告モデル料がバカにならないとか、さやかが私の気分転換だとか、わけのわからない状況になってね」