The side of Paradise ”最後に奪う者”
「アスピリン、もらってもいい?
なんでもいいから栄養剤も」
怒涛のレポート締め切りをこなし、スペインに移動し、やっと嫌な社交時期が終わって少し時間に余裕が出来るかと思ったら、一昨日から日本で今はこの状況だ。
地球の自転に逆らった時差に、体がついていかない。
成介からもらって飲み込むと、ソファーに身を倒して目を閉じた。
「大丈夫ですか?」
綺樹は片手を挙げて答えた。
「ちょっと休憩。
さやか、そんなにかからないだろ?
30分ぐらいかな」
「そうですね」
「わかった」
成介は部屋の電気を消すと、静かにドアを閉めた。
ドアの札を使用中に変える。
「睡眠中だよなあ」
のほほんと呟いて主流に合流していった。