The side of Paradise ”最後に奪う者”
噛み付かれたと同時に胸に硬いものを押し付けられた。
「そこまでだ」
涼はじっと何の感情も無い綺樹の瞳を見た。
「撃てよ」
綺樹のくちびるに再び自分のをあわせて、そのままもう一度言った。
「殺せよ」
綺樹は微動だにしなかった。
涼は銃身を掴むと、もぎ取り部屋の隅に放り投げた。
綺樹は掴まれた腕を取り戻そうとした。
涼は自分の体と壁の間に綺樹を押さえ込む。
「行きずりとは寝れて、僕とは寝れないか」
綺樹の目を嘲笑を含んで覗き込んだ。
綺樹の目に光が点った。
抵抗を止めて、力を抜く。
挑むように目を光らせた。