The side of Paradise ”最後に奪う者”

彼女のプライドが、抵抗して無理やりよりも、させてやることに変わったのがわかった。

自分が馬鹿だと思った。

止めるべきだともわかっていたが、止まらなかった。

理性と体が完全に離反していて、体が暴走していた。

ベッドへ投げ飛ばして、馬乗りになるとシャツを脱ぐ。

綺樹は無抵抗で、冷ややかな眼差しで見上げていた。

それがわかっているから、涼は目をあわせずに、首筋にくちびるをはわせ、
肌を指でなぜる。

綺樹は全く無反応だった。

いくら手管を尽くしても変わらなかった。

とうとう涼のほうが耐え切れなくなる。

これではただの欲望の捌け口だ。

何かが変わるのではないか。

そういう期待がどこかにあった。

涼は綺樹を後ろから抱きしめていた。
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