The side of Paradise ”最後に奪う者”
「なんだって?」
かなり驚いたようだった。
「私と結婚するのよ。
忘れたわけじゃないでしょう?
祖父が縁を切ったとはいえ、ダバリードが無かったら、私と怜が一番の正統の血筋なのよ。
一族の年寄りたちに、これ以上、綺樹をいいように使われるのは我慢ならないわ。
あなたも国王と寝ている状況を、毎回想像したくないでしょう」
瞬後、フェリックスは大笑いを始めた。
「やれやれだな。
わかった女王。
手を結ぼう」
電話を切ってさやかは立ち上がった。
綺樹を虐げるのは許さない。
そして綺樹は一生ダバリードから手放さない。
あの子はダバリードのものなのだから。
昂然と頭を上げ、さやかはこれから向かってくるものを見据えた。