The side of Paradise ”最後に奪う者”

「笑い事じゃない。
 あいつの雰囲気は悪いってもんじゃない。
 どす黒かったぞ。
 他の招待客が遠巻きに避けていたぐらいだ」

「その相手と毎日仕事をしていたんですから、ほめてください」


しらっと成介は言った。


「うん、ほめる」


綺樹のあっさりとした返答に、苦笑する。


「どう出るか、何を言い出すか、びくびくしたよ。
 その中で、自分をさらけ出すような事を言い、関係を修復できるような方向にしなくてはならなかったんだ。
 もの凄く神経を使った。
 おかげで火傷までした」

「えーと、それは本当としての火傷ですか?
 それとも感情としての?」
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